これは「第二次世界恐慌」だ!〜評論家・中野剛志氏が緊急寄稿~
話題のMMTブームの仕掛け人、評論家・中野剛志が語る
■MMTによって「固定観念を打ち破る思考の偉業」をやってみようではありませんか
さて、ここでMMT(現代貨幣理論)が重要になります。
MMTによれば、自国通貨を発行する政府には財源問題はなく、したがって日本は、財政危機ではありません。
財政赤字をもっと拡大させても、日本政府がデフォルトになることも、インフレが止まらなくなることも、金利が暴騰することもありません。
詳しくは、以下の二冊のいずれかをご覧ください。
ですから、コロナウイルス対策と財政問題の板挟みなどというものは存在しません。
日本政府は、財源を気にせずに、コロナウイルス対策も経済対策も徹底することができます。
このように、MMTは、日本にとっても世界にとっても、極めて重要な理論だったのです。
そういう理論が昨年、日本に紹介されたというのに、日本の経済学者や経済評論家の多くが、MMTについて正しく理解しようともせず、「MMTなんてあり得ない!」とか「インフレが止まらなくなったらどうする!」などといった、批判というより誹謗中傷をしていました。
極めつけは、これですかね。もはや、反論する気も失せるほどの凄いレベルです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200326-00612108-bookbang-bus_all
ちなみに、1930年代の世界恐慌(「第一次世界恐慌」)では、当時の主流であった健全財政論は吹き飛ばされ、米国のルーズヴェルト政権によるニューディール政策や、日本の高橋是清による高橋財政のように、MMTの先駆けとなる積極財政政策が実行されました。
特に、日本の高橋財政は、当時の世界で最も早く、恐慌からの脱出に成功したのです。
(参考:高橋是清とMMT)
https://ies.keio.ac.jp/upload/Nakano_Paper.pdf
高橋是清やルーズヴェルトは、ジョン・ケネス・ガルブレイスの表現を借りれば、健全財政という「固定観念を打ち破る思考の偉業」を成し遂げたのです。
なお、MMTを批判する経済学者たちは、高橋財政についても、それが放漫財政や軍事費の増大、あるいは高インフレを招いたなどと言って貶めていますが、
それも間違いです。
詳しくは、以下の二冊を参考にしてください。
『高橋是清 ―日本のケインズ その生涯と思想』(著・リチャード J スメサースト/東洋経済新報社)
『MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論』(著・島倉原/KADOKAWA)
MMTは、1930年代の「第一次世界恐慌」の経験を教訓にして生まれた理論です。
「第二次世界恐慌」の今こそ、このMMTによって「固定観念を打ち破る思考の偉業」をやってみようではありませんか。
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日本のMMT[現代貨幣理論]ブーム仕掛け人・中野 剛志の簡単解説。
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「こんなに高度な内容をこれ以上わかりやすく書くのはもう無理です」
――中野剛志
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世の中のカラクリをここまでバラした。